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2025

1004
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2010

0404

これから掲載するのは、庭球連載の番外編です。

庭球興味ないよ!ってかたは、

もうちょっとお待ちくださいね。

ごめんなさい、では、つづきはこちらからどうぞ!


Let's study!


「跡部先輩の家大きいですね。
 ちょっと何か貰ってっていいですか。」


「いいわけねーだろ!お前なに持ってるんだよ!」


「えっと、高そうな壺です。」


「高そうってわかってるなら持つんじゃねーよ!」


「跡部先輩って、意外とケチですね。」


「あーん?この俺様がケ「じゃ、売ってきますね。」


「売る気かよ!やっぱり売る気なのか、てめー。」


「嘘ですよ。今じゃありません。用事が終わってからです。」


「どちらにしろ売る気じゃねーか…。」

 

どうして今、私が跡部先輩の家に居るのかと言いますとね。

私が補習の危機ですので、跡部先輩直々に


「日吉曰くお前はとんでもねーアホらしいから、3日間みっちり鍛えてやる。

 せいぜい俺様に感謝し、褒めたたえるんだな。日吉は3分の1感謝しとけ。」


と、なんとも不快な言葉とともに、私の平和な日常を奪いまして。

まぁ、テスト前でもあまり勉強する気になれないので、

無理やりそういう時間があるのは、私としても好都合ということです。

 

「ここの問いは、こいつをここに代入して、そうだ。

 それで解いていくと、このXの値が出る。」


「…ということは、この問いもそういう感じですね。」


「あぁ。この公式3つ覚えときゃ、このページはなんとかなるはずだ。」


「ありがとうございます。なんだか、数学が楽しくなってきました。」


「お前は向日やジローとちがって、意外に飲み込み早いな。」


「跡部先輩は意外と教えるの上手ですね。」


「ばーか。当たり前だ。人に教えられてこそ、自分の知恵ってもんだぜ。」


「やっぱり、跡部先輩ってすごいんですねー。

 

カリカリとシャーペンを走らせながら、勉強していく私と

参考書を読む、跡部先輩。ちなみに、めがね姿はちょっとかっこいい。


…いや、ちょっとじゃないな。すごいかっこいいと思う。

 

「そのページ終わったら俺に言え。」


「あ、次は英語ですか?私、英語は不得意ですよ。」


「お前はいったい、なにが得意なんだ。」


「そうですね。人並みに出来るのは、体育と数学と、国語ですね。」


「おい、ちょっと待て。どおりで数学がどんどんできるわけだ。

 できるやつ教えたって意味ねーじゃねーか!」


「まぁ、復習って感じで。」


「復習できるほど余裕じゃねーだろが!」


「そのへんは、曖昧にしときましょうか。」


「曖昧にすんな!…ったく、次は英語だ。むしろ、今から英語だ。」


「えー英語嫌いです。」


「このドアホが。嫌いといって、避けてたら何も身に付かねーぞ。」

 

そう言いながら、跡部先輩は無駄にでかい勉強机らしきものへ向かった。

そして差し出されたものは、英単語帳と、英語のノート。

 

「先輩、これ、先輩の自作のものですよね…?」


「俺様が他の奴が作った低レベルな物使うと思うか、あーん?」


「うわぁ、すごい。字がきれいだし、わかりやすいです!」

 

ノートの中は、とても美しく整えられた字の羅列と、わかりやすい説明と、まとめ方。

もし、このノートが売りに出されてたら、受験生はぜったい買ったほうがいい。

跡部先輩のものだから、という付属価値ではなくて、

このノートはそこらの教科書やドリルより、勉強に役立つと思うから。

 

「1年前のでわりいが、それ使え。どうせ、お前の英語のノートなんて

 よだれまみれでバリッバリで使い物にならねーだろ。」


「よだれまみれじゃありません。ノート閉じて寝るので、よだれはつきません!」


「もう授業受ける気ねーじゃねーか!」

 

跡部先輩は、天才だとか何でもできる、できて当たり前だとか

みんな言うのだけれど、私はこの時確信した。

跡部先輩は、知恵を身につけるために、将来役立つだろうと、勉強している。

あの無駄にでかい勉強机だって、たぶん、ものすごく使いこまれてると思う。

この人は、努力する人だ。生まれ持っての天才という要素もあるけど、違う。

 

「ちょっと、跡部先輩を尊敬しました。」


「あーん?」


「先輩は、やっぱりカッコイーんですね。」

 

跡部先輩は、すごい。

 

「跡部先輩から、顔立ちを取ったらお金しか残らないのではと思いましたが

 案外そうでもないですね。多少性格も良いみたいで、私、ちょっと株上がりました。」


「お前はアレか。俺を相当かわいそうな奴だと思ってたのか、オイ。」


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アッシェン
性別:
女性
職業:
美術系技術兼事務
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話す。読む。歌う。
自己紹介:
動物占いでは、猫。
ちっちゃくて、気まぐれ。
拠り所が様々です。
まさに、そのまま。
小猿ともよく言われます。
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